2009年9月30日水曜日

ついに撤収

ついに芸術祭も終わり「ツマリ楽園」の撤収作業です。
9月23日に研究室の学生6名で撤収作業に行ってきました。

またしても雨の中の作業だったのですが、おかげで地面がゆるくなっていて、杭も抜き易くなってました。
それでも地面に深く打ち込んだ杭は抜けにくくて、写真のようにハンマーで横から叩いて一本一本引っこ抜きました。

朝8時頃から作業をはじめて、結局作業を終えた頃にはお昼近くなってしまいました。
最後に公園を管理されている関谷博さんに敷地状況を確認してただき、撤収完了です。
もともとの何も無い場所に戻しただけなのですが、以前よりさみしい場所になってしまったように感じます。
芸術祭期間中は白い家屋や小人が点在していて、お客さんも大勢うろうろしていた頃を知っているからこそ、さみしさを強く感じるのかも知れません。
恒久作品ではない仮設作品の儚さを感じるとともに、限られた時間のなかで強く人を惹き付けることができる作品とはどんなものだろうと考えさせられる日となりました。



2009年9月29日火曜日

芸術祭最終日

芸術祭の最終日に備えて補修作業を9月12日の早朝行いました。
あいにくの小雨の中の作業になりましたが、見に来てくれる方のために最後の補修作業です。

緑色に変色していた家屋の内部も白いペンキで塗り直しました。
「ペンキ塗り立て注意」なんて張り紙できないので、触ってペンキが付いた方もいるかもしれません。触ってペンキが着いた方、ごめんなさい。

学部生の春日くん(写真上)と坂井くん(写真下)の清掃作業風景です。
最終日とはいえ雨の中でも見に来てくれるの人がいるのか不安になる最終補修となりました。


2009年9月28日月曜日

補修と作品巡り

今回は期間中の終了間際に定期的に行った補修作業の模様とドイツ人作家アンティエ・グメルスさんの作品紹介です。

前回の補修では草刈りに追われて作品自体のメンテナンスがおろそかになっていましたが、今回は内部までペンキ塗装を行いました。
あと、前回刈り残した雑草を関谷さん(公園の管理人)が電動草刈り機で刈り取ってくださり、小人が草むらから現れていたので小人の配置も蟻の行列のように修正してきました。

作業中も多くの方に来て頂けたので鑑賞の様子を見ていたのですが、小人の行列に子供とお年寄りの方が関心を示されていたのが印象的でした。
子供は「ひと!、ひと!」という感じで無邪気に騒いでいて、お年寄りのかたは「兵隊さんが並んでる」などと鑑賞者の人生経験が伝わってくるような会話がされてました。
なんとか彼らも役目を果たしてくれているようです。

補修作業の後、すぐ近くにあるアンティエ・グメルスさんの作品を見に行ってきました。
グメルスさんは僕らが三省ハウスで制作作業をしているときにちょくちょく見にいらっしゃっていて、鏡を分けてもらえないかと頼まれたこともあって面識があるんです。
あいにく予備の鏡が少なかったのでお譲りすることはできなかったのですが、作品を見に行ってなぜ鏡が欲しかったのか納得できました。
静かな森の中に無数の鏡のかけらが木漏れ日とともに揺らいでいて、とても幻想的な空間でした。山奥ながら多くの方が訪れていてグメルスさんも嬉しそうに解説してました。







2009年9月27日日曜日

新建築に掲載されました

新建築の9月号に「ツマリ楽園」を掲載していただきました。
伊藤研究室の坂井君が制作した家屋がメインの写真です。
是非ご覧下さい。

KELLYに掲載されました

名古屋の女磨きマガジン月刊「kelly」の10月号に掲載していただきました。

最後の方のページに「ツマリ楽園」が紹介してあります。
大学の研究室としては名古屋から唯一の参加です。
もう11月号が発売されてますが、購入された方はチェックしてみてください。




2009年9月1日火曜日

越後妻有ツアーレポート

以前このブログ上でも告知していた「越後妻有アート鑑賞ツアー」を8月24日(月)〜25日(火)にかけて行いました。
名古屋工業大学の2年生から大学院生まで参加し、南山大学や社会人の方にもご参加いただきました。
1日目は日本大学芸術学部の「脱皮する家」と「コロッケハウス」からはじまり、松之山のキョロロ、クリスチャン・ボルタンスキーの「最後の教室」、まつだい農舞台と順に回り、絶景の芝峠温泉に浸かってきました。


日本大学芸術学部の2009年の新作「コロッケハウス」は隅々まで抜かり無く金属が吹き付けられた完成度の高い作品でした。



手塚貴晴+手塚由比 越後松之山「森の学校」キョロロ



クリスチャンボルタンスキー「最後の教室」




2日目は松代城山の里山アート群にある「棚守る竜神の塔」や「ツマリ楽園」を鑑賞していただき、十日町の「福武ハウス2009」に移動しました。その後、「絵本と木の実の美術館」を鑑賞し、キナーレで昼食をとり、二屋のアントニーゴームリー作品と「ストームルーム」と立て続けに人気の作品を鑑賞してきました。


國安孝昌「棚守る竜神の塔」



名古屋工業大学伊藤研究室「ツマリ楽園」



田島征三「鉢&田島征三・ 絵本と木の実の美術館」



アントニー・ゴームリー「もう一つの特異点」
部屋の真ん中で寝転がると人間が姿がはっきりと浮かび上がってきました。


ご参加くださった方々、ありがとうございました。

2009年8月31日月曜日

補修のはずが・・・

前回の小人制作を終えて8月19日(水)に補修作業に研究室二人で日帰りで行ってきました。
名古屋にいるときの計画ではペンキ塗り・釘打ち・支柱の鏡面磨きと小人の追加配置のはずだったんですが・・・




ご覧の通り「ツマリ楽園」がアンコールワットの遺跡のように自然に飲み込まれそうだったので急遽、草刈りメインの作業になりました。








膨大な草と格闘すること3時間、なんとか手鍬で集落を設置した範囲の雑草を刈り取ってきました。
手前には刈り取った雑草でミニ城山ができる始末です。
公園を管理されている関谷博さんによると、ここ1一週間にあった雨で雑草が急に成長したとのことですが、管理の不行き届きの結果です。

こんなひどい状況にいらっしゃった方にお詫びしたいと思います。
すいませんでした。




草刈りの作業中に偶然、老人会の方が菖蒲園の草刈りにいらっしゃっていて休憩中にスイカをごちそうになりました。
炎天下の中、慣れない草刈りでへろへろになっていたので本当に助かりました。
老人会の皆さん、ありがとうございました。

2009年8月13日木曜日

小人製造中

今回は「ツマリ楽園」の住人の制作風景です。

つくりかたをご説明します。



1.ドイツプライザー社製の1/25スケールの模型を加熱し松代のお年寄り風に腰をかがめます。



2.変形させた模型をシリコンで型をとります。



2.型をとったシリコンにスポイトでポリエステルを流し込み、設置用の針金を差し込みます。
 (このポリエステルがものすごく臭くて、伊藤研究室周辺では異臭騒ぎに発展しました。)

3.数時間するとポリエステルが熱を発しながら固まるので脱型します。



4.取り出した小人をペンキで圧塗りして完成です。

名古屋生まれの松代住民はこのように制作しています。
ちらほら「ツマリ楽園」の破損情報が伝わっているので、近日中に修理に向かう予定です。

2009年7月27日月曜日

日経アーキテクチュアに掲載されました

日経アーキテクチュア 2009 7-27、PROJECTページの『大地の芸術祭』特集ページに『ツマリ楽園』が写真付きで掲載されました。
名古屋工業大学伊藤孝紀研究室は始動してまだ2年目ですが、メディアに頻繁にのるようになってきました。大地の芸術祭に参加することの大きさをジワジワと感じています。




2009年7月24日金曜日

越後妻有トリエンナーレツアーについて


名古屋工業大学伊藤研と行く越後妻有トリエンナーレツアーの日程が決定しました!
期間は8月24日(月)〜8月25日(火)の一泊二日。予算は交通費、宿泊費、チケット代込みで15,500円です。

お申し込み方法
電子メールにて、連絡先、性別、職業を明記の上お申し込みください。
メールアドレス:b17116051@yahoo.co.jp
担当:富田 有一(名古屋工業大学伊藤孝紀研究室 修士1年)

〒466-8555
名古屋市昭和区御器所町 名古屋工業大学 17号館 132号室
Tel:052-735-5329

2009年7月22日水曜日

『ツマリ楽園』に小人が住み始めました




集落の設置から2週間後の7/18に小人たちの設置をしてきました。
大学の研究室で200体ほど用意して行ったんですが、思ったより200体というのは多くて配置に困る程でした。

まず、1mおきに小人の行列を各家屋結ぶように配置して行って、50体。
残りの150体を麓の集落には多めに配置して賑わいをだし、行列にも密度変化を与えていってなんとか200体すべてを設置してきました。
小人のスケールは1/25で原寸でも7センチ足らずなので、鑑賞者に踏まれてしまうのが心配です。

このあとも50体ほど大学で予備を制作してトリエンナーレ期間中の補修作業に備えたいと思います。



2009年7月21日火曜日

7日目(宙に浮かぶ集落)




ついに、新潟での設置作業最終日です。
家屋を支える柱に鏡を巻いていきました。
鏡を保護するシートをトリエンナーレの会期直前まではがさずにするか迷いましたが、我慢しきれずはがしてきました。
 
どうですが?家屋が宙に浮いているように見えませんか?
家屋を支える柱を見せたくないという理由で鏡を巻いているのですが、ここまで見事に消えてくれるとは思いませんでした。
なるべく精度の高い鏡がいいということで、多くの予算をかけた部分だったので安堵感もあります。

6日目(杭打ち)





三省ハウスでの作業を終え、敷地での設置作業に入りました。
各家屋に穿った開口から周辺環境を覗けるようにするため、設置位置、高さ、角度等の最終的な調整を行いながらの設置作業です。
雨の中の杭打ちは地面が湿っているためやり易いのですが、一度打ち込むと修正しようとして引き抜く作業に苦戦しました。
下の画像は杭打ちが終わった後です。みんなヘトヘトです。
翌日は家屋を支える柱に鏡を巻き付ける作業なので、もうすこし楽な作業のはずです。



2009年7月17日金曜日

建築ノートに掲載されました

建築ノートno.7に作品が掲載されてました。
越後妻有トリエンナーレ特集ページに建築系作品として名古屋工業大学伊藤孝紀研究室『ツマリ楽園』が紹介されました。
ほんとにチョロッとですが、購入された方はチェックしてみてください。


2009年7月7日火曜日

5日目(制作風景)








三省ハウスの体育館での作業の様子です。
僕らの滞在した三省ハウスはもともと三省小学校だったものを改修して宿泊施設にしたものです。なので、体育館とかプールがあったりします。
週末以外は宿泊客が少ないようで、ほぼ貸し切りの状態で作業ができました。

5日目(金のカマボコ)




新潟滞在5日目も三省ハウス体育館での制作です。
以前、豊福亮さんから頂いた金色のスプレーを使っての制作です。
当初の予定では金色に着色する開口部は尖り屋根に空けられた開口部だけだったのですが(写真上)、豊福さんが気前よくスプレー1本下さったので、カマボコ倉庫の骨組みも金色に着色することにしました。

カマボコ型倉庫の骨組みを金に塗装しました。


実際にはこの開口の先には松代城が見えるようになっています。
是非、松代城付近に立ち寄ったときは覗いてみてください。

4日目(制作)




新潟滞在4日目は宿泊先の三省ハウスの体育館を借りての制作です。
公開制作とは違って本気の制作モードです。朝は8時頃起床して、朝食をとったらそのまま制作に入り、夜も2時頃まで制作に没頭しました。
体育館の水銀灯が集落を照らしてしまうようで、使用可能時間が夜は12時までといわれていました。宿の管理人さんや周辺住民の方にはご迷惑をおかけしました。